私の名前はあさぎ。
町内にひとつしかない下町の小学校に通う五年生。
みんなは五年生の時、どんなだった?
もしくは五年生になってないみんなは、五年生になったらどんな風になりたい?
きっときらきらしてるよね。
世界が広くなって、出来ることが増えて、行ける所も増えて。
私も、つい数時間前までそうだった。
毎日が楽しくて、お父さんもお母さんも優しくて。
そして私には世界でいちばん大切な■■君がいてくれた。
ふたつ年下で、寂しがり屋なくせに妙に気が強くて。
いつもけんかばかりしていた。
でも、私はそれでもいいと思っていた。
ありのままの■■君を、受け入れたかった。
え、どうして過去形なのかって?
それはね。
今この扉の向こうにいて、生と死のはざまをさまよっているのが、私の大切な■■君なのだから。
◇
エレベーターのドアが案内のチャイムと共に開く。
「安西さん!」
私は、エレベーターから降りてきた彼女の姿を見るなり、駆け寄ってすがりついた。
「■■君が、■■君が!」
「うん、そうだよね。電話で聞いてる……たいようは?」
「……おんなじ。意識不明だって……」
「そう……」
トパーズみたいな色素の薄いブラウンの瞳。
薄い色した髪の色。
私の大好きな……安西さん。
彼女は私を抱きしめながら、救急処置室のドアを見つめる。
いつも、どんな時でも、彼女は冷静だ。
とても同じ五年生には見えない。
いつも不思議なことを言ったり、他の人には見えないモノを視たり、聞いたりできる。
私も同じことができるけれど、彼女ほどじゃない。
私の家がお寺であるように、彼女の家は神社で、きっとそれも影響しているんだろうな、と私は勝手に推察している。
町内にひとつしかない下町の小学校に通う五年生。
みんなは五年生の時、どんなだった?
もしくは五年生になってないみんなは、五年生になったらどんな風になりたい?
きっときらきらしてるよね。
世界が広くなって、出来ることが増えて、行ける所も増えて。
私も、つい数時間前までそうだった。
毎日が楽しくて、お父さんもお母さんも優しくて。
そして私には世界でいちばん大切な■■君がいてくれた。
ふたつ年下で、寂しがり屋なくせに妙に気が強くて。
いつもけんかばかりしていた。
でも、私はそれでもいいと思っていた。
ありのままの■■君を、受け入れたかった。
え、どうして過去形なのかって?
それはね。
今この扉の向こうにいて、生と死のはざまをさまよっているのが、私の大切な■■君なのだから。
◇
エレベーターのドアが案内のチャイムと共に開く。
「安西さん!」
私は、エレベーターから降りてきた彼女の姿を見るなり、駆け寄ってすがりついた。
「■■君が、■■君が!」
「うん、そうだよね。電話で聞いてる……たいようは?」
「……おんなじ。意識不明だって……」
「そう……」
トパーズみたいな色素の薄いブラウンの瞳。
薄い色した髪の色。
私の大好きな……安西さん。
彼女は私を抱きしめながら、救急処置室のドアを見つめる。
いつも、どんな時でも、彼女は冷静だ。
とても同じ五年生には見えない。
いつも不思議なことを言ったり、他の人には見えないモノを視たり、聞いたりできる。
私も同じことができるけれど、彼女ほどじゃない。
私の家がお寺であるように、彼女の家は神社で、きっとそれも影響しているんだろうな、と私は勝手に推察している。

