北九州の真夏の西日は限りなく暑い。
けるのにちょうど良さそうな石を途中で見かけたので、とりあえずけんけんけりながら歩いていた。
そうでもしないとまた涙が溢れてきそうだったから。
むしゃくしゃして、頭に血が上って。
だから気づかなかった。
というか忘れていた。
いつのまにか、上町と下町のちょうど境にある鳥辺野神社の前に着いていたことを。
思いっきりけった平べったい石は、不規則に何回か跳ねて、そして。
「いったーい!」
しまった!
僕はけった石を、大好きなはずのお姉さんのくるぶしにジャストでクリーンヒットさせてしまった。
「……ご、ごめん、きぃ子ちゃん! 大丈夫っ?」
ふたつ年上のこのお姉さんは、とっても大人っぽい。
手足はすらりと長くて、髪の毛もさらさら。
胸も……ちょっとおっきくて、そして、そのことに自覚が全くない。
だから。
グレーのセーラー服のスカートなのに、地面にひざを立てて、くるぶしを押さえていたりなんてするから……。
うん。今日は水色かあ……。
ぱしゃり。じー。
「はい、鼻の下伸ばしてスカートのぞく、あお君いただきー」
「はっ」
やばい。
無防備に見えたのも作戦かっ!
きぃ子ちゃんは超がつくほどドSだ。
こんな不埒で決定的な写真を撮られたりしたら……。
「うーん、わたしが思ってたよりひどい顔してるねえ、あお君?」
「ち、ちがう、ちがうよきぃ子ちゃん! これはたまたま……」
「たまたま? たまたまでこんなヘンタイさんなお顔が撮れるんですかねえー?」
にまにまと、僕の方を見て、写真をひらひらと見せびらかす。
「どうしようかねえ。学校中にバラまいてしまおうかなー?」
「駄目! それだけは駄目!」
「あ、ちょ、ちょっと、きみぃ!」
僕は写真を取り返したくて必死できぃ子ちゃんにすがりついた。
でも、きぃ子ちゃんがくるぶしを痛めていたのは本当だった。だから、バランスを崩した。
「うわあっ!」
僕は鳥辺野神社の石の階段にきぃ子ちゃんを押し倒すような形で倒れこんだ。
ちょうど、彼女のバストに、両手をつく形で。
◇
けるのにちょうど良さそうな石を途中で見かけたので、とりあえずけんけんけりながら歩いていた。
そうでもしないとまた涙が溢れてきそうだったから。
むしゃくしゃして、頭に血が上って。
だから気づかなかった。
というか忘れていた。
いつのまにか、上町と下町のちょうど境にある鳥辺野神社の前に着いていたことを。
思いっきりけった平べったい石は、不規則に何回か跳ねて、そして。
「いったーい!」
しまった!
僕はけった石を、大好きなはずのお姉さんのくるぶしにジャストでクリーンヒットさせてしまった。
「……ご、ごめん、きぃ子ちゃん! 大丈夫っ?」
ふたつ年上のこのお姉さんは、とっても大人っぽい。
手足はすらりと長くて、髪の毛もさらさら。
胸も……ちょっとおっきくて、そして、そのことに自覚が全くない。
だから。
グレーのセーラー服のスカートなのに、地面にひざを立てて、くるぶしを押さえていたりなんてするから……。
うん。今日は水色かあ……。
ぱしゃり。じー。
「はい、鼻の下伸ばしてスカートのぞく、あお君いただきー」
「はっ」
やばい。
無防備に見えたのも作戦かっ!
きぃ子ちゃんは超がつくほどドSだ。
こんな不埒で決定的な写真を撮られたりしたら……。
「うーん、わたしが思ってたよりひどい顔してるねえ、あお君?」
「ち、ちがう、ちがうよきぃ子ちゃん! これはたまたま……」
「たまたま? たまたまでこんなヘンタイさんなお顔が撮れるんですかねえー?」
にまにまと、僕の方を見て、写真をひらひらと見せびらかす。
「どうしようかねえ。学校中にバラまいてしまおうかなー?」
「駄目! それだけは駄目!」
「あ、ちょ、ちょっと、きみぃ!」
僕は写真を取り返したくて必死できぃ子ちゃんにすがりついた。
でも、きぃ子ちゃんがくるぶしを痛めていたのは本当だった。だから、バランスを崩した。
「うわあっ!」
僕は鳥辺野神社の石の階段にきぃ子ちゃんを押し倒すような形で倒れこんだ。
ちょうど、彼女のバストに、両手をつく形で。
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