【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

『あおのガードが甘いぜ』
『あおにしゅーちゅーほーかだっ!』

 ひとりねらいだよ。ずるいよ。
 何度もそう叫んだ。何度も訴えた。

 でも、返ってくるのは温度のない、冷ややかな笑い声だけ。

 他にも当てられていない子は居たはず。
 とうまにあかねに、みかにかいと。

 でも、どうしてか、真っ先に狙われるのは僕なんだ。
 これじゃあ、せっかく外野から戻ってこれても、すぐに当てられてしまう。

『ふっざけんなっ!』

 五度目に当てられた時、遂にキレて、相手チームのリーダー格のたけるに殴りかかった。
 倒れこんで、お互いもみくちゃのけんかになった。

 その様子を見かねたみかが校内に居た先生を呼んできて、あわてた先生が仲裁(ちゅうさい)に入った。

『やめなさい、やーめーなさーいっ! こら五年生、何やってんのー!』

 二年生の担任のはるか先生はわざわざ校庭まで走って駆け付けてきた。

『……ほら、あおくんもたけるくんも。ごめんねして、仲直りして』

 先生は僕たちをしこたま怒った後、最後にそううながして、無理やり仲直りさせようとした。

 でも僕には見え見えだった。
 はるか先生はけんかを止めたいんじゃない。
 面倒くさいだけなんだ。

 ひとりぼっちの僕の寂しさなんて、わかりっこ無いんだってね。

 そう思ったら、無性(むしょう)に悔しくて悔しくて。
 気が付いたら差し出された、たけるの手を振りはらって、駆け出して、学校から飛び出していた。