【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

「ねえ、きぃ子ちゃん」

 太陽がすっかり落ちて、夜の帳(とばり)が下りた宵闇(よいやみ)の道。

「なあに」
「あさぎちゃんって、だれ? 寂しくないって、どういうこと? どうして泣かないでって、言うの?」

 僕はどうしても聞きたいことを、矢継ぎ早に問いかけた。
 きぃ子ちゃんはうつむいた。

 きらり。
 今、光ったのは涙だろうか。

「ねえ、教えてよ?」

 ぶおー。
 またしてもでっかいトラックがふたりの傍を猛スピードで通り抜けた。
 真っ黒な煙を吐き出しながら。

「……」

 おかげできぃ子ちゃんの声が聞こえなかった。

「ごほっ……え、えと、もういっかい……」
「ううん、なんでもない」

 きぃ子ちゃんは、そう言って笑った。
 どこか、寂しそうな顔で。

◇

 君には、寂しい時って、あるかい?
 あるとしたら、それはどんな時が寂しいかな?

 お友達とさよならする時?
 お友達と会えない時?
 待っても待っても、そのお友達が来ない時?

 それとも。

 いつの間にか記憶から消えてしまって、後からそのことに気が付いた時?

 寂しいのはつらいよね。
 ひとりぼっちなら、なおさら。

 でもね、信じてみて。
 君を待っている人は、きっと今もいる。
 君がお友達を大切に思う心があれば、きっと。