僕の名前は月森あお。
学校では、いつもけんかばかりすることで知られてる。
お友達はひとりもいない。
『寂しいからって、ひとを叩いてはだめよ。僕も仲間に入れて、きちんとそう言わなきゃ』
寂しい、寂しい。
ことあるごとに先生は、そう言うんだ。
ううん、違う。
全然違う。
先生に、僕の何がわかるっていうんだろう。
わかりっこない。
僕は寂しくなんかない。
だって、だって僕には、いるから。
世界一のお友達が、いるから。
ぱしゃり。じー。
「やっほ。きみ、来たね」
「もう、撮る時は撮るって言ってよう、きぃ子ちゃん」
いつも通る鳥辺野神社の鳥居の陰から、いつものみたいにインスタントカメラのシャッターを切る。
トパーズみたいな色素の薄いブラウンの瞳。
吊り目がちで勝気に見えるけど、本当は冷静で大人っぽい。
琥珀色したポニーテールの髪は、夕日を浴びてきらきら光って、僕は大好きだ。
グレーの襟とリボンをあしらったセーラー服は、とても眩しいんだよね。
僕の最高のお友達、きぃ子ちゃん。
ふたつ年上、中学一年生。
彼女がこうして居てくれるから、僕は寂しくなんかない。
「ほら、いこう?」
きぃ子ちゃんが手を伸ばす。
適度に日焼けしていて健康的な、そのお姉さんの手を取って、僕は今日も逢魔が時の町を駆ける。
◇
学校では、いつもけんかばかりすることで知られてる。
お友達はひとりもいない。
『寂しいからって、ひとを叩いてはだめよ。僕も仲間に入れて、きちんとそう言わなきゃ』
寂しい、寂しい。
ことあるごとに先生は、そう言うんだ。
ううん、違う。
全然違う。
先生に、僕の何がわかるっていうんだろう。
わかりっこない。
僕は寂しくなんかない。
だって、だって僕には、いるから。
世界一のお友達が、いるから。
ぱしゃり。じー。
「やっほ。きみ、来たね」
「もう、撮る時は撮るって言ってよう、きぃ子ちゃん」
いつも通る鳥辺野神社の鳥居の陰から、いつものみたいにインスタントカメラのシャッターを切る。
トパーズみたいな色素の薄いブラウンの瞳。
吊り目がちで勝気に見えるけど、本当は冷静で大人っぽい。
琥珀色したポニーテールの髪は、夕日を浴びてきらきら光って、僕は大好きだ。
グレーの襟とリボンをあしらったセーラー服は、とても眩しいんだよね。
僕の最高のお友達、きぃ子ちゃん。
ふたつ年上、中学一年生。
彼女がこうして居てくれるから、僕は寂しくなんかない。
「ほら、いこう?」
きぃ子ちゃんが手を伸ばす。
適度に日焼けしていて健康的な、そのお姉さんの手を取って、僕は今日も逢魔が時の町を駆ける。
◇

