やられる──っ!
僕がとっさに前に手をやって顔をかばった、まさにその時。
ぱしゃり。じー。
「よしよし、間に合ったね」
きぃ子ちゃんがインスタントカメラで僕を写していた。
花子さんは何処にもいなくなっていた。
どっ、どっ、どっ、どっ。
辛うじて爆発をまぬがれた僕の心臓が、まだ暴れまわっていて手が付けられない。
僕が何も言えずにいると、
「ねえ、いいからさ、このドア、開けてくれるかい?」
「立てないんだ」
「はは。きみ、案外怖がりなんだ?」
むっ。腹が立った。
けれど、抜けた腰はなかなか復活してくれない。
「もう、仕方ないねえ」
きぃ子ちゃんはドアをよじ登って、個室に飛び降りて入った。
そして、現像したトイレの花子さんが封じられた写真を手渡して来た。
「ほら、これでもう寂しくないでしょ。だから、ね。泣かないで」
「泣いてないし!」
強がってみたが、きぃ子ちゃんには通用しないようだ。
まったく、とんでもない人だ。
お化けとかくれんぼなんてさせて。
今だって、男子トイレに飛び込んできて……。
飛び込んで?
そういえば、さっき、見えちゃったなあ。
……白、かあ……。
◇
これが、きぃ子ちゃんとの初めての遊びであり、彼女との初めての「勝負」だったんだよ。
え? ぶっ飛びすぎ?
はは。そうかもね。
でもこの時もらった写真は、今も大切なお友達の、最初のひとり。
人ってね。
本当につらくて悲しいとき、何故だか世界がとても綺麗に見える時があるよ。
そんな時は、自分の心の声に、耳を澄ませてみて。
ほら、聞こえるでしょ。
どっ、どっ、どっ、どっ。
どんなにつらくても、苦しくても、生きることをやめない君の命の声が。
だから、ちょっとだけでいいから、信じてあげて。
君はひとりじゃない。
世界を美しく見せてくれる友達が、君のいちばん近くにいる。
そのことを。
僕がとっさに前に手をやって顔をかばった、まさにその時。
ぱしゃり。じー。
「よしよし、間に合ったね」
きぃ子ちゃんがインスタントカメラで僕を写していた。
花子さんは何処にもいなくなっていた。
どっ、どっ、どっ、どっ。
辛うじて爆発をまぬがれた僕の心臓が、まだ暴れまわっていて手が付けられない。
僕が何も言えずにいると、
「ねえ、いいからさ、このドア、開けてくれるかい?」
「立てないんだ」
「はは。きみ、案外怖がりなんだ?」
むっ。腹が立った。
けれど、抜けた腰はなかなか復活してくれない。
「もう、仕方ないねえ」
きぃ子ちゃんはドアをよじ登って、個室に飛び降りて入った。
そして、現像したトイレの花子さんが封じられた写真を手渡して来た。
「ほら、これでもう寂しくないでしょ。だから、ね。泣かないで」
「泣いてないし!」
強がってみたが、きぃ子ちゃんには通用しないようだ。
まったく、とんでもない人だ。
お化けとかくれんぼなんてさせて。
今だって、男子トイレに飛び込んできて……。
飛び込んで?
そういえば、さっき、見えちゃったなあ。
……白、かあ……。
◇
これが、きぃ子ちゃんとの初めての遊びであり、彼女との初めての「勝負」だったんだよ。
え? ぶっ飛びすぎ?
はは。そうかもね。
でもこの時もらった写真は、今も大切なお友達の、最初のひとり。
人ってね。
本当につらくて悲しいとき、何故だか世界がとても綺麗に見える時があるよ。
そんな時は、自分の心の声に、耳を澄ませてみて。
ほら、聞こえるでしょ。
どっ、どっ、どっ、どっ。
どんなにつらくても、苦しくても、生きることをやめない君の命の声が。
だから、ちょっとだけでいいから、信じてあげて。
君はひとりじゃない。
世界を美しく見せてくれる友達が、君のいちばん近くにいる。
そのことを。

