この感情に名前をつけるとしたら…?

「ねー!浅川(あさかわ)さーんっ!」

陽葵の元に駆け寄る彼を見ると、

「…誰にでも懐くのね」

誰にも聞こえないであろう独り言が無意識に口から漏れた。

「じゃあまたみんなに連絡するね。
今日は一旦解散!おつかれさまでしたー!」

たぶん、今この感情に名前をつけることはできない。

そうして、文化祭に向けてのはじめての集まりが終わった。