関咲くんを、追いかけて。


私が1人で動揺していると、どうやらシフト交代の時間になったようで。

タイミングわるっ!え?!
もう、どういうことー?!

私だけ1人で動揺して焦って…何してるんだろうほんとに。

いきなり恥ずかしくなって、三つ編みの毛先をいじりながら関咲くんについていった。

仕事内容は主にお客さん(受験生)への説明や質問対応で、そこまで大変ではなさそう。

「ねー、この漢字どうやって書くの?」

小学5年生くらいの女の子が私の袖を引っ張って聞いてくる。

「これはねー、こう!」

近くに置いてあったボールペンを使ってプリントに書いてみる。

「字きれー!」

「えへへっ、そう?ありがとうーー」

はああ、なんてかわいいの?!
肩までかかった髪の毛を揺らしながら満面の笑みを浮かべてくれた。

無邪気でとってもかわいい…

と思いながら、その後もその子と仲良くしながら入試の解説をしていた。