関咲くんを、追いかけて。


「あ、橘花」

「関咲くんー!」

シフト交代5分前、担当教室に行くともうすでに関咲くんがいた。

「部活おつかれさまー」

「ありがとっ!」

そう、私はさっきまで校庭で部活の演技をしていた。

おかげで汗も髪もボサボサで…って、こんな格好で関咲くんの前に現れた私、ばかなの?!ありえないっ!

なんだか一気に恥ずかしくなって、いつもより一段と高い位置で結ばれていたポニーテールをほどいた。

「わ、髪長いね」

「そーそー、伸ばしてる!」

ポニーテールをほどいたら腰ほどまである髪の毛に手を通して、なんだかまた恥ずかしくなる。

関咲くん、ロング好きかな…?

淡い期待を胸に抱いて髪の毛を二つに分けて編んでいく。

「あ!待ってね、知ってる知ってるよ僕…」

「ん?なにが?」

結び終えて完成した三つ編みをほぐしていると、関咲くんがなにか考え事をはじめた。