「とりあえず初日かんばろーねっ」

ついに今日は、文化祭初日。

「うん…」

「関咲とシフトの時行くね♡」

「ちょっ、唯音…!」

小声でそんなことを唯音が言うから、顔が熱くなってきた。

意地悪な顔をして私のことを見ている。唯音にはどうやら作戦があるようだけど…

たぶん、私には同じシフトってだけで精一杯だ。

だって、関咲くんと一緒にシフトをするなんて…っ、考えるだけで体が熱くなる。

「あ、百合花!」

まだ来客が来ていない、どこかお祭りモードの廊下に出るとそこには写真を撮っている百合花たちがいた。

「…と、瀬戸(せと)だ」

どうやら、彼氏の瀬戸と写真を撮っていた。

「いーなあー!私も彼氏ほしいよお」

それを見て、大声で嘆きながら私に飛びついてきた唯音を構いながら、わたしも関咲くんが彼氏になってくれればいいのに、とか考えてみる。

「唯音はどうせすぐできるよー」

「えー清菜とは違って好きな人いないもん!」

「ちょっ…!」

唯音、仕掛けてくれたな?!

「え、清菜聞いてないよ?」