関咲くんを、追いかけて。

私が部活に行っている間、関咲くんは誰と作業してたんだろう?

今、あの女の子たちとどんな話をしているんだろう?

急激に関咲くんのことが気になって、一気に頭がいっぱいになった気がした。

「浮かない顔してっけど、どーしたのさ」

唯音が小さな手持ちの扇風機の風向きを私に向けながら、そんな言葉を投げかけてきた。

「…私、気になる」

「うん?」

「関咲くんのこと、気になる」

「そっか」

無意識に口から漏れていた言葉は、紛れもなく私のものだった。

「私がいない間、関咲くんが何をしてたのか、誰とどんな話をしてたのか、関咲くんはどんな顔をするのか、知りたい」

「うん」

「関咲くんが知りたい

…関咲くんが、好き」

私自身も驚いていた。

こんなにストン、と恋に落ちるなんて。

「うん!」

「…って、わたし、え、」

言ったはいいものの、心と気持ちに頭が追いつきもしない。
やばい、きっと今めっちゃ赤い…