ギターの彼

 「アンコール」
 と、誰かがいった。すると「アンコール」とミホと同じ学校の制服のグループがいった。たちまち、みんなが「アンコール」と合唱し始めた。
 「はあい」
 と、ヒロコが大声を出した。
 「アンコールがあったんでね、もう1曲、歌いたいと思いまあす」
 と、ヒロコが続けた。
 「では、「ラッキースター」」
 と、ヒロコがいった。
 おお、と歓声があがった。ラッキースターとは激しいロック調の曲だった。(れん)が前に出る。ギターを弾き始める。蓮は激しくアクティブに弾いていた。キレイな指先が躍動していた。
 おお、と歓声があがる。ミホも歓声をあげた。蓮をみつめた。
 ヒロコが歌いだす。蓮が後ろへさがった。ミホは蓮をみつめていた。蓮はアクティブにかっこよくギターをひいていた。蓮はアクロバティックに動いた。
 「うをー」と、歓声があがる。ミホも歓声をあげた。
 やがて、楽しみしていた、ギターソロだ。蓮が前へ出る。蓮は指先を激しく動かす。ギター音が激しくなる。ミホはみいった。指先は繊細に動いていた。ギターソロが終わる。ヒロコが歌いだす。
 蓮は再びアクティブにギターを弾いていた。
 歌が終わる。蓮がギターでしめた。
 うをー、と歓声があがった。拍手があがる。
 「では今日のステージはここまででえす」
 と、ヒロコが大声でいった。
 「ありがとう」
 と、ヒロコ。
 「ありがとう」
 と、ミホはみんなと一緒にいった。
 「ありがとう」
 と、蓮が素っ頓狂な声でいった。
 「ありがとう」
 と、ミホはみんなと一緒にいった。
 「はあい、みんな楽しいステージでしたね。じゃあ、ヒロコちゃんと蓮君、さようなら」
 と、お姉さんがいった。
 「さようなら」
 と、ミホはみんなと一緒にいった。
 ヒロコと蓮は笑顔でステージを退出した。
 会場は熱気に包まれ、みんな汗をかいていた。