……いやいやいや、無理無理っ!!
隣の席は、さっき、紅野くんから英語のテキストの答えを借りていた紀田くんだ。
いつも元気でお調子者。悪い印象はないけど……話しかけるとかは、絶対できない。
正直、隣にいるだけでちょっと怖いし……。
「よし、課題終了! おーい紘貴、これ返すー! さんきゅー!」
がたっと大きな音を立てて立ち上がる。
そして教室に入ってきた紅野くんに向かって、答えの冊子を掲げた。
「うん。あー、机の上に置いといて!」
そう返事をする紅野くんを見ながら、少し冷や汗をかく。
な、なんとか教科書なくても、乗り切れるかな……?



