「え!言ってないの?」

綺麗な顔を歪めて言うやっちゃんに凛が

「うん…、だって…
何となく言いそびれて…」

俯いてボソボソと言う。
やっちゃんは、溜め息をつき、長い黒髪を掻き上げながら

「前にも言ったけど、相手は大人で、先生だけど、ただの男なんだって、もう少し分かってあげないと…
甘えてばかりいちゃ駄目だよ。
誤解されてもいいの?
ちゃんと言っときな 。」

そう言って凛に電話させようとした時、

「お待たせしたかな?」

爽やかな笑みを湛えたカイがやって来て言った。
それに対抗するかのような笑顔で

「皆今来たところだから大丈夫だよ。」

そう言ったのは、いつの間にか傍にいたタクだった。