すっかり日は落ち、健は真っ暗なリビングのソファーに腰を降ろし、携帯を握りしめながら頭を抱え、大きな溜め息をついてうなだれていた。

あの後追いかけて外に飛び出したが、凛の姿はもう何処にもなかった。

思い付く限りの場所を捜し回ったが、時間ばかりが過ぎていき、見つける事は出来ず…
携帯電話は何度かけても電源が入っていないというメッセージが流れるばかり…

一人ではどうしようもなく、やっちゃんとタクに事情を話し、捜してもらっているが、未だ連絡は無い。
もしかしたら家に戻ってくるかも知れないからと言われ、取り敢えずこうして部屋にいる。

凛のあの時の、淋しそうな、悔しそうな顔が頭から離れず、あんな顔をさせてしまった自分にひどく腹が立った。
凛がいなくなることが、こんなにも辛く、苦しく、悲しいものだったなんて…