「止めてよ、それお父さんが誕生日にくれたやつなんだよ!」 「えっ」 狼狽える栗山くんに、私はジャンプした拍子にバランスを崩してぶつかった。 高く掲げた栗山くんの手から、本がするりと落ちる。 本はページの方を下にして、床に落ちた。 「木嶋、今のは悪かっ……っ!」 ゆっくりと本を拾って、落ちた方を上にする。 勢いよく落ちたせいか、ページはくしゃくしゃになって、少し破れたあとがあった。 「花、ほんとにごめ」 「なんでこんなことするの、いつもいつも…らい…あんたなんか大っ嫌い!」