「……え、何?」 「いい加減、俺の名前呼べよ」 ……名前呼べって、な、なんでそんな急に… 「い、今まで苗字だったし…そんな急に…」 「急じゃねぇよ。目そらすなよ…花」 両頬をぐっと固定されて、栗山くんの顔が間近に映る。 栗山くんの目なんて、真っ直ぐに見れない。 「ど、どうしたの?なんか急に変だよ」 「いいから……ほら、早く」 「っ……!」 "呼べ" そう耳元で囁かれて、私はぎゅっと目を閉じた。 栗山くんの瞳が、どこか熱を帯びてるみたいで…