「俺、何度も聞いたぞ。二年前から何度も。大丈夫かって。その度おまえは大丈夫だって言った。大丈夫じゃないくせに」
大丈夫じゃないなんて、言えなかった。夢と現実の区別がつかないなんて。日常に違和感があるなんて。本名も顔も知らなかった遠くの友人に、言えるわけがない。
でも、本名も顔も知っている近くの友人にも、話せる内容ではなかった。
どちらにも話せないからこうなった。どちらかに話すべきだった。どちらかを選ぶとしたら、それは絶対的にゆんたちだった。
話せば良かった。だって彼らは、インターネット上だけの存在じゃない。ここにはゆんしかいないけれど、きんぎょもスーちゃんも実在している。触れる。鼓動を、体温を感じることができる。
「ゆん……」
「うん」
「ゆん、ゆん……花織、死んじゃった」
「うん」
「わたしを好きだって言ったくれた人が、返事する前に死んじゃったよ」
「うん」
「なんでこんなことに……。わたしはただ五人で楽しく過ごしたかっただけなのに。それだけのことが、叶わないなんて……」
「うん」
「五人でいるのが駄目なら、せめて四人で、ここに来たかった、それで五人でしょう」
「うん」
「あんなに毎晩一緒にいたのに、もう年に一回集まることすらできないなんて、そんなのひどい」
「うん」
「わたし言ったよ、何ヶ月も前に。この日はどうって、伝えたよ。最初はみんな休み取るって言ってたのに、それが行けるか分かんないになって、結局誰も来なかった」
「俺が来ただろ」
「ゆん一人が来ても、ここにはゆんと花織とわたしだけじゃない」
「そうだな」



