よしよしと優しく頭を撫でられて目を細める。
大きな手、あったかい。
「腹、減ったな」
「うん」
「何食べたい?」
「んー・・・がっつり系かな」
「めずらしいな。がっつり系なー。ラーメン?焼肉?」
「ハンバーグ」
「おっけい」
腕に抱きついていた体を離して大きな手に自分の手を絡める。
大衆受けするハンバーグ店に入って、店員に案内される。
メニューを開いて、たくさん並ぶハンバーグの種類に悩む。
「決まった?」
「うーん・・・悩む・・・」
「何で悩んでる?」
「チーズにするか、目玉焼きのってるのにするか・・・かな」
チーズ好きだからチーズいきたいけど、目玉焼きがすつごく美味しそうに見えるんだよな。
じーっとメニュー表とにらめっこをしていると、ピンポーンと翔也が呼び出し音を鳴らしてしまった。
「え、まだ決まってないよー」
「うん?ゆゆが悩んでるチーズと目玉焼きどっちも頼んだらいいよ。はんぶんこしよう」
「いいの?」
「もちろん。俺も食べたいなーって思ってたし」
にっこりと微笑んで翔也は、注文を取りに来た店員にチーズハンバーグと目玉焼きハンバーグ2つを頼んだ。
「ありがと」
「ん?お礼言われるほどじゃないよ」
スーツの上着を脱いで、軽くネクタイを緩めた。
その自然な仕草にドキッとする。
「最近、会えなくてごめんね」
「ううん、お仕事忙しいでしょ?」
「繁忙期入っちゃってね。あと少し。終わったら、もっと一緒にいれるからね」
「いつも、ありがと」
穏やかな表情。
大人の余裕ってやつなのかな?それとも、私が年下だから?翔也の私を見る目はとても優しい。
翔也との出会いは、アプリだった。
家にいても1人、学校でも1人。
孤独を常に感じていた。
何気なしにアプリに登録して、誰かと繋がってみたくなった。
初めのうちは、たくさんメールが届いて嬉しかったけど、ほとんどがヤリモク。
会話もちゃんとキャッチボールできない人ばっかりで、アプリやめようかなと思っていたときに翔也からメールが来た。
この人もきっとヤリモクなんだろうなぁ、と思っていたら、やり取りは普通の世間話。
好きなアーティストはいるか、とか食べ物は何が好きか、どこに食べに行ったこれが美味しかったとか。
本当に何気ない話。
いつからか、翔也からの連絡を心待ちにしている自分がいることに気づいた。

