新月の天使


「そうだろ。普通、金持ちかなんて気にしないだろ?好きならさ」




女なんて、そうだろ?




「あのね、私は違う。別に十色くんのことを狙ってないし、お金にも興味ない。『お金持ちだっけ?』って聞いたのは、会話がしたかったから」


「会話?」




星那はゆっくりと、前のめりになっていた体を戻してソファにもたれかかる。



「うん。私は、青藍の皆と仲良くなりたい」


「それって、俺も含まれるわけ?」


「勿論。十色くんも含まれるよ」





なんだ……それ。


そんなの嘘だって思うのに、星那が真剣な目をしてるから……コイツなら。って思った。




「ごめん……なんでもな──────」


「俺さ、家族と仲悪いんだよね」






謝ろうとした星那の言葉を遮って、自分の話をする。


聞いて欲しかったんだ。星那に。


純粋な気持ちで仲良くなりたいなんて言われたのは、青藍の皆以来だ。



星那の言葉が─────どうしようもなく嬉しく感じた。



そこから、自分のことを少しだけ話した。


全てではなかったけど、ただ静かに耳を傾けてくれる星那に、安心した。





「瀬那や、メンバーの皆はもう家族みたいなものだって思ってる。……あんな家族、俺はいらない」




最低最悪だった。


もう二度と関わりたくない。


それに……もう新しい家族がいるから、あんな家族なんて、もういらない。


本気で、そう思った。