新月の天使


何も……聞かない。


その言葉は、俺の心を軽くした。


普通、なんであの風宮がいるのか、家で何かあったのか。とか聞いてくるはずだ。


なのに、何も聞かない。


それが、すごくありがたかった───────。




俺は、どこかの倉庫に連れてこられた。


なんだ、ここ?見た目はボロかったのに中は綺麗だ……。



『なぁ、ここなんだよ』



未だに俺の腕を引っ張り続ける浮島 瀬那に超えるかける。




『………』


『無視かよ……、』





完全に俺の言葉をスルーし続け、ついに一つの扉の前にたどり着いた。


浮島 瀬那は、その扉を遠慮なく開ける。



こんなあっさり開けるなんて、ここはコイツの倉庫なのか……?


ダメだ。さっぱりわからない。



浮島 瀬那が扉のなかっに入り、俺もそれに続く。




『おっ、きたきたー』


『………水口 遥……?』


『よー、風宮』





なんでここに。


水口 遥。コイツと浮島 瀬那、俺は同じクラスだ。


確か、2人は問題児って呼ばれてたはず。


どうしてそんな奴らが俺をこんなところに……。





『おい、どういうことだよ』


『まーまー、そんな怒んないで?とりあえず座ってよー』





ポンポン、と水口 遥の隣の椅子を叩く浮島 瀬那。


こいつ、いつの間に座ったんだよ……。



意味不明だけど……俺をここに連れてきたということは、きっと何かあるはずだ。