新月の天使

もう少し……ここにいる、か。


とりあえず、もう少し奥に行ってみるか。


疲れた体を持ち上げた時。




『───────おい』



そっと振り返る。



『……!』



なんで……コイツがここに。



『浮島、瀬那………』


『風宮。どうしてお前がここにいる?』




無機質な目。何を考えているか、まるでわからない。


でも……本当に、綺麗だ。


どのパーツも整っている。


俺も、多少周りよりは整っていると自負しているが、こいつは別次元だ。




『聞いてるか?どうして、ここにいる?』


『あ……えっ……と』




何か……言わないければ。


けど……言ったところでどうなる?


問題が解決するのか?しないよな。


こいつに話して解決するならとっくに話してるよ。


そう思うと何も言う気力が起きなくて、下を向く。




『………何も言わなくていいから、俺について来い』




……………は?ついて来い……?


その言葉に驚いて顔を上げると、相変わらず無機質な目。


だけど……さっきより、柔らかくなってる。


俺が呆然としていると、腕を掴まれ引っ張り上げられる。




『なっ、なんだよ、急に……!』




すぐに振り払おうとしたが、力が強くて振り払えない。


なんでだ?何が目的だ?それに、力強過ぎ……。



『何か事情があるから、ここにいるんだろ。今は何も聞かないからついて来い』