新月の天使

グイグイと近づいてくる。


それにつれ……タバコの匂いがきつくなる。


見た感じ、俺とそう年は変わらなさそうだ。


こいつら、喫煙してんのか?



『おい、聞いてんのか!?』


『あーはいはい。聞いてますよ』



未成年のくせに喫煙なんかしてるやつと関わるなんて、ろくなことねぇから、適当に返事すると。



『ああん!?テメェ、舐めてんのか!?俺はこの辺りじゃ一番つえーんだぞ!!』



ブンッと音が出そうなくらいの勢いで腕を振り上げ、殴りかかってくる。


一番強いという割には拳の速度が遅く、簡単に止めることができた。



『なっ………!?俺の拳が……止められただと!?』



相手には俺より自分のほうが強く映っているらしい。



『クソっ……!仕方ねぇ。おいお前ら!行くぞ!』


『『『はっ、はい!!!』』』




ダダダダダーと全員で走ってくる。


強さが駄目なら人数で………か。



こんなの………楽勝。



一人一人、確実に倒していく。


気づいたら──────俺だけが立っていた。




『はぁー……』



疲れた……。一人一人の戦闘力はそんなに高くないけど、動き方が気持ち悪い。


全員、自分流の戦い方で、無駄な動きばっか。


もう一度ため息をつきながらその場に座り込む。


というか、いつまでここにいる……?


何かあって、家に戻ることになったらどうすればいい?


それを考えれば今すぐ戻ったほうがいいけど、それは癪に障る。