新月の天使

そんなんじゃ、俺は倒せないと思ったのか、鉄パイプを持ったのだろう。


ま、鉄パイプなんて細いし避けやすいけど。


相手たちが自分スレスレのあたりに来たら、トッと地面をけって、後ろに飛ぶ。


すると思った通り、お互いの攻撃がお互いに当たった。



『い、いってぇぇぇぇ!!!』


『おい、全力で殴るなよっ!』


『避けるなんて思わねぇだろーが!』





ギャンギャンガミガミ、罵りあって友情崩壊……ってとこか。


どうでもいいけど。



ちらっと周りを見ると、俺以外全員言い合ってる奴らに釘付けになってる。


……逃げるなら、今だ。


判断してすぐ、敵の間をすり抜けて逃げた。







これが、俺が今家族に罵られている真実。


両親にどんなにことの真相を伝えても、全て嘘だと言われ跳ね除けられる。


こういう時、多色は両親に可愛がられているからすぐに信じてもらえるだろうけど、俺は………ただの金食い虫だと思われてるだろう。


金なんて有り余ってるのに。




『まったく。年下の多色がいたらから良かったものの、お前だけだったら危ないところだった』


『ほんとよねぇ。十色は正直いないほうがいいわ』




─────────もういい。



『じゃあ、出ていくよ』



『……はぁ?』


『十色、貴方なんかが1人で生きていけると思っているの!?」



『そのくらい……どうにでもなる』





俺はその言葉を最後に、家を出た。