「ごめん……なんでもな──────」
「俺さ、家族と仲悪いんだよね」
目を見開く。
私の言葉を遮られたことも………十色くんが家族の話をしたことも。
「俺、成績はいいけど、それ以上に弟が優秀で。親からも弟からもバカにされて、反発したら暴力と罵倒の嵐」
暴力と罵倒……。家族に愛されてた私には無縁の世界だ。
「それで家での居場所失って、夜に街を歩いてたらたまたま瀬那に会った。その時、青藍に入らないかって誘われて。俺は自分の居場所が欲しくて入ったけど………今は入って良かったって思ってる」
私に、居場所なんてなかったな……。
どこにいても警戒して、細心の注意をはらって、一人暮らししても結局一人。
今の学校生活は夢犀 星那の生活であって、本当の私、" 結目 笑優の生活 "ではないんだ。
私は────────ずっと一人だ。
「瀬那や、メンバーの皆はもう家族みたいなものだって思ってる。……あんな家族、俺は要らない」
「要らないなら………さ、私にちょうだいよ、家族」
無意識に出てた、その言葉。
「は………?」
「どうしようもない人たちっていると思うよ。でもさ、いない側からしたら羨ましくてたまらないんだよ、家族が。どうしようもなく、羨ましくてたまらない」
続けて放った言葉に、十色くんが驚いてる。
やっぱり今日……おかしい。理性の制御ができない。


