新月の天使

これは、幹部の皆がいない時はずっと。


陰口を叩かれることは慣れているから……そんなに気にし、ない。


陰口を全スルーして階段を登る。



「こんにちはー……あれ?」



挨拶しながら部屋に入ると……十色くんだけ。


とりあえず、いつもの定位置に座った。


十色くんは暇そうにスマホを見てる。


なんか気まずいな〜……。


いつも、皆で話す時は会話に入ってくるけど、一対一はなかなかない。


それに、十色くんは女嫌いだったはず。


けど、こういう人と仲良くしておけば……キャップを取り戻すきっかけができるかも?



「ね、ねぇ。他の皆はどうしたの?」



話しかけてみると、スマホから顔を上げた。



「……コンビニ行った」


「そ、そっか……」




あー……会話が続かない。


元々、十色くんは話すタイプではなさそうだけど、瀬那くんとはよく喋ってるし、仲良くなればやっぱり喋れると思う。



「そういえば、十色くんの家ってお金持ちだっけ…?」




私がまた話しかけると、一気に目が鋭くなった。


私からしたら全然だけど、これは……青藍の下っ端なら逃げ出すレベル。




「何?俺のこと狙ってんの?」




真剣な顔でそんなこと言われたら……。



「………あはは!おっかし〜。私が十色くんを狙うはずないよ」


「口ではなんとでも言える」


「あのね、そもそも私がなんで十色くんを狙うの?」