新月の天使

私の返しに柚葉ちゃんが煽るような口調で中田くんを見る。


「いいや、夢犀さんは嘘つかないから。絶対に僕と遊ぶ」



中田くんのその言葉に、胸がきゅっ、となる。






──────『嘘つかないから』。






全然違うよ。私は嘘の塊だから。



そんな……そんなに信じないで。


苦しい……から。




なんだか苦しくて、下を向く。


こんなことで胸を痛めちゃ、ダメなのに。


こんなんじゃ、やっていけない。


精神を強く持たないと。


「……ゃん」


あと少しだから。


「……ちゃん」


だから、頑張って。


「せーちゃん!」



ビクッと肩が跳ねて、パッと顔を上げた。



「あ……、柚葉ちゃん……?」


「大丈夫?急に黙り込んじゃうからびっくりしたよ。どうしたの?どこか痛い?」



私の顔を覗いて、目を合わせた柚葉ちゃん。


その瞳には心配の色が滲んでいて、私のことを本気で心配してくれていることがわかる。


柚葉ちゃんの瞳を見ていると時々……泣きそうになる。


濁り尽くした私の瞳と違って、純粋で綺麗。


あぁ……この子と本当の友達になれたらどれだけいいだろうって思う。


できるなら……柚葉ちゃんと友達になりたい。


けど─────ダメなんだ。


柚葉ちゃんは、私の友達" 役" 。絶対に忘れちゃいけない。



「……ううん。なんでもない大丈夫」


「本当……?」


「うん。本当」