新月の天使

そのせいで柚葉ちゃんとは学校の間でしか話せていない。


でも……柚葉ちゃんとは少しずつ距離を置いていかなきゃ。


ずっとサボってるけど……そろそろ本当にキャップを取り戻さないと。


そしたら学校を去るから、柚葉ちゃんとは少しずつ距離を置いて、心残りがないようにしないと。



─────元々、心残りなんてないけど。



それでも、感情はわからないから。


念の為に、ね。




「夢犀さーん。僕とも夏休み中、遊ぼう?」



ぬるっと現れた中田くん。


「ざんねーーん!せーちゃんはきっと夏休み中も青藍と一緒にいるから無理でぇーす!!」



すかさずべぇーっと舌を出しながら私をきつく抱きしめる柚葉ちゃん。



「それじゃあ、日比野さんも遊べないじゃん」



柚葉ちゃんの言葉にムッとなった中田くんが噛み付く勢いで言い返す。



「私はせーちゃんの親友だから許されるの!中田くんはただのクラスメイト。この違いがわかるぅ〜?」


「はぁーーー、ほんっとムカつく。夢犀さん、俺とも遊んでくれるよね?」



ズイッと私に顔を近づけてくる。



「えっ?いや……よ、予定があえば……?」



急に話を振られて、語尾が上がっちゃったけどこれは仕方ないよね?


遊ぶつもりなんてないし、中田くんの連絡先すら知らないから予定が合うもどうもないと思うけど。


……自分で言ったことだけど。



「はいーーー!この反応の時のせーちゃんは絶対に遊びませぇーーん!」