青藍と関わりを持ち始めて約1ヶ月がたった。


特に闇月の情報が世に出ることもなく平和に過ごしている。


そして、やって来るのは…………



「「「夏休みだぁぁぁぁ!!」」」



帰りのHRの先生の話が終わった途端、バーーーン!と音を立ててクラスの皆が立ち上がる。


わお……。夏休みって、そんなに楽しみかなぁ……?


小学校時代、施設でも学校でも地獄で、中学校時代も地獄だった私にはわからないその感覚。


でも、宿題をやって頭を空っぽにするのは結構好きだったりする。



「せーちゃん!!夏休みだよ、夏休み!!いっぱい遊ぼうね!」



柚葉ちゃんがすごい勢いで突っ込んでくる。


それをなんとか身体全体で受け止めて、「どうどう」と背中を叩く。



「はぁ〜〜〜!すごい楽しみ!せーちゃんと初の夏休みだよぅ」



ぎゅーっと私に抱きついてくる柚葉ちゃんがとてつもなくかわいい。


柚葉ちゃんとは、放課後にちょっと寄り道するぐらいしか遊んだことがない。


だから、すごく楽しみだな〜。





「最近のせーちゃん、放課後ずっと青藍の人たちと一緒にいるでしょ?あたし、すごい寂しかったんだからね!」


「ごめんね。夏休みはたくさん遊ぼうね」






柚葉ちゃんの言う通り、青藍と関わりを持ち始めてから一度も柚葉ちゃんと一緒に帰れていない。


放課後はいつも、教室で私1人になったら青藍の5人がやってきてそのまま青藍の倉庫に行くという流れ。