新月の天使

片方の男が近づいてきて、フードを触ろうとする。


私はそれを、勢いよくはたき落とす。




「いってぇなぁ!!!おいおい、こんな事していいのか?あ?お前、どうなるかしらねーぞ?」


「どうして、私よりあなた達のほうが強いと思ってるの?」


「ああ!?ふざけてんのかてめぇ!!!」




笑わせないでほしい。どうしてそんなに自分を過大評価すの?


自分がちょっと強いからってそれに酔いしれて、威張って、結局自滅する。


笑っちゃうよ。



「お前を捕まえて、そのツラみてやんよぉぉぉ!!」



「うおおおおお」なんて叫びながら殴りかかってくる。


ダサいなぁ〜〜。それに叫んだりなんてしたら気合いは入るかもだけど酸欠になっちゃうよ。


あまり喋っていなかったほうの男が先に突っ込んでくる。


脇腹を狙って飛んできた拳を片手で受け止める。



「なっ…!?」


「全然遅いよ」



掴んだ拳を引き寄せて、相手の体が前のめりになったところを蹴り飛ばす。



「うっ……」



そのまま倒れたそいつ。


総長がこんなにあっさりやられていいのかな。


だから弱いんだよ、と心の中で忠告しておく。



「ちっ、使えねーな。……おい、闇月。今ここで、お前が引き下がるっつーならお前を俺の女にしてやるよ」





「………………………は?」





「俺、モテるんだぜ?イケメンで、暴走族の総長やってる。文句のつけようがねぇだろ。女は皆俺の彼女になるたがる。どうだ?いい話だろ」