新月の天使

おかしい。


情報屋が、偽の情報を掴まされたってこと?……でも、今までそんなことは一度もなかった。


もう何年も私に情報提供してくれているし、闇月の知名度が上がるほど私を捕まえようとする輩が増え、偽の情報をバラ撒くやつがいたからどの情報が偽物なのかなんてわかるはず。




まぁ、とりあえず今はあいつらを捕まえよう。




薬の取引の証拠はないから警察には突き出せないけど、バラ撒いた情報も知りたいし、何より………もう二度と私を捕まえるなんて考えを持たないようにさせないと。



カンッと床を蹴り、ドアから中に入る。


そして、一番近くにいたやつに殴りかかる。



「なんだ……!?……ぐぁっ」




次々と、私がいることに未だ理解が追いついていない奴らを倒していく。


私は基本、相手に無駄な怪我を負わせないように最小限の攻撃で気絶させる。



「おらっ…!……うおぉっ」


「ぐはっ……」




ついに、頭2人のみになった。




「おーおー。やってくれんね〜。お前が闇月か?」


「……そう」


「やっぱりか。顔こそ見えやしねぇが、その服装に雰囲気でわかる」


「だな。フードから見える金髪がたまんねぇよ」




そのままワイワイと私の見た目で話を盛り上げる2人。


美人とか、金髪とか……雰囲気って何?


人をそういう風に決めつけて、たまらないとか、意味がわからないし、本当に気持ち悪い。




「なぁ、どーせお前は俺達に捕まるんだからさ、そのフード取ってよ」