青藍の倉庫に始めていった日から4日がたった。


あれからは毎日、放課後に青藍の倉庫で過ごしている。


いつも皆とゲームやお喋りをしている。


その時間がとても楽しくて。


ずっとあそこで過ごしたい……なんて思ったり。


けど……それはだめだよ、私。


私は早く……キャップを取り戻して学校を去らなきゃ。


時期が夏に近づいてきてウィッグの中は蒸れちゃうし、眼鏡も邪魔。


キャップは、初めに入った部屋の後ろの方にガラスのショーケースに入れられていた。


部屋に私1人になるということがなく、回収するタイミングがない。なんて……ただの言い訳。


タイミングがないのは本当だけど、心の隅の方の私が取りたくないって拒むんだ。


こんなの、おかしいのに。


お父さんの、形見なのに。


絶対、取り戻さなきゃいけないのに。


どうしても、身体がいうことを聞かない。


ダメってわかってる。



でも。もう少しくらい………このままでいさせて。



初めて、家族がいなくなってから心から笑えている気がするから────────────。






*     *     *     *



「えーー!星那ちゃん、土日来れないの?」


「うん……ごめんね、用事があるんだ」


「その用事、どうにか無くせない?」



和くんにぎゅっと抱きつかれて、うるうるとした子犬のような目で見られるといいよっと言ってしまいそう。


「ごめんね」


もう一度謝ると渋々私を離した。