新月の天使

確か、瀬那くんと関わりがある人はいなかったと思う。



「その情報は、どこで知ったの?」


「……ごめん、それはいえない」


「そっ……か」



いえない、か……。


一体、どうやって知ったんだろ…。



「まぁ、その闇月?って人を探してるなら、私も手伝うよ!そんなに役に立たないけど」


「……ありがと。また何かあったら言うから、それまでは何もしなくていい」



自己紹介の時の、「これからよろしく」っていう言葉は、闇月を探す手伝いをしてもらうからよろしくって意味だったんだ。




*    *    *    *


そこで瀬那くんの好きな人の話は終わり、そこからは話して話して、話倒す。



「あははっ!和くんおかしー!」



ふと顔を上に上げると、壁の高いところにぶら下がっている時計が目に入った。


えっ、もう19時!?



「ごめん、私もう帰るね!」


「えー、もう帰っちゃうの?」


「こらこら、星那ちゃんだって色々あるんだし、引き止めちゃダメだよ、和真」


「あぁ、そうだぞ。じゃあな、星那」


「また明日」



「うんっ、また明日」



皆に手を振って立ち上がった時。



「待って。送ってく」



瀬那くんも立ち上がった。




部屋を出て、倉庫の入り口までという短い距離を2人で歩く。


ここに来た時にいた人数ほどではないけれど、少しだけ人が残ってる。


やっぱり、私のことを物珍しそうに見てるや……はは。


入り口に着いて、立ち止まる。


「ここまででいいよ。ありがとう。また明日ね、瀬那くん」



ニコッと笑う。


「あぁ。また明日」


瀬那くんにも手を振って、その場をあとにした。