新月の天使

バッと下を向いて、「とにかく、私は無理です」と言った。


すると、ずっと動かなかった浮島 瀬那が動いた気配がして、チラリと見ると、何か考えている様子。


何……?



「それじゃあ……スマホか倉庫、どっちがいい?」


「………は?」



スマホか倉庫……?



「どうゆう、ことですか」


「どうもこうも、そのまんまの意味。今すぐ、俺にスマホを貸すか、今日の放課後俺達と青藍の倉庫に行くかのどっちかを選べってこと」



な、なにそれ……。あまりにも横暴すぎない!?


それに、この選択肢って相手にしか利益がないよ。


スマホを差し出せば情報を抜き取られるかもしれないし、倉庫に行ったら何されるかわからない……。


下っ端は倒せても、幹部5人揃って攻撃されたら流石にキツイ。


No.1の暴走族だし、私1人じゃ相手しきれない。


そこまで考えて、あることを思い出す。


倉庫ということは……私のキャップも、あるかもしれない!


何されるか分からないけど、隙をついてキャップだけ回収したら逃げよう……!


うん、それがいい……!





「で、どっちにすんの」


「倉庫……、行きます」





私が答えると、ふっと小さく笑った。



「それじゃあ放課後、な」



キャップを今日、取り戻せたら───────。




学校生活が終わる。