新月の天使

「ごめんなさい。今、充電がなくて……」


「1分でいいから、貸して」


「いや、あの、充電を少しも減らしたくないんです……」


「本当に少しだけだから」




っ……、引き下がらない……。


でも、私も譲れない……!



「本当に、無理です。スマホが使いたいなら、私以外に借りてください」



しっかり目を見て言う。


っていうか、そうだよ!言ってから気づいたけど、青藍なんだから他の子に頼めば一発なのに、どうして私に頼むんだろう。


じっと浮島 瀬那の瞳を見続ける。


向こうも、逸らさない。


あ、あれ……なんか……だんだん睨んできてない!?


なんとなく対抗心が燃えて、私も睨み返す。


最初は本当に軽くだったけど、少しずつ殺気が出始めて……私は完全に忘れていた。


ここが──────教室ということを。




「せ、せーちゃん………?」




少し遠くから柚葉ちゃんの声が聞こえ、ハッとする。


すぐに周りを見渡すと、皆驚いた顔で私達を見ていた。


ヤバイ……完全に夢中になってた。


皆きっと、驚いたよね……。


普段の私は結構ふわふわ〜って感じでやってるのにバリバリの睨みに殺気って……!