新月の天使

「でも、匂いでわかる?ほのかに匂うくらいじゃない?」


「わかる。いつも、隣で匂ってたから。見た目じゃ全然わからなかったけど、すれ違うときに香った匂いが星那だった」





そんなことで、わかるんだ……。


やっぱり、No.1暴走族の総長って思う。


人の匂いまで覚えてるなんて。




「そうだったんだ……」


「で、星那はどうしてそんな格好を?」





あ……そっか、バレたからには説明を求められるよね。


でも、もうすぐ施設に着きそう……。



そういえば、近くに公園があった気がする。


そこでならいいかな。






「公園で話そう」




瀬那くんの腕を引っ張って公園のベンチに座る。


2人並んで、ベンチに腰掛けた。





「実は、ちょっとお手伝いしてて」


「手伝い?なんの?」


「それは……言えないんだけど、すごく大切なお手伝いしてるんだ。それで、少しの間青藍に行けてなかったの」






施設のことは言えないけど、本当の理由だ。



「なんで、体調不良なんて嘘をついたんだ?」


「………」





なんで、か。



それは、用事って言ったら調べられるかもしれないから。


青藍が、私と闇月が関わりがあると思っているとしたら、その用事がもしかしたら闇月が関わってると思われたらきっと調べるだろう。



違ったなら、それでいいってなるし、もし闇月と関わりがあるなら私を捕まえるなりなんなりすればいいわけで。