ずっとお礼が言いたかったし、ようやく伝えられたのは良かったけど、それだけで会話が終わるなんて、想像していたのと違う。 何気ない会話が続いて、さっきの出来事も笑い話にして、和やかに時間が過ぎていくのが理想だったのに。 理想が高過ぎたみたい。 「茜音ちゃんさ」 「は、はい!」 「久遠にはよく来てたの?」 「いえ、今日が二回目です」 少し固まった空気を壊すように、控えめな声量で聞こえた声。 質問の意図が見えない、長谷 律からの会話。