「大将!どうやって呼ぶんですか…」
「シー…。茜音ちゃんは黙ってて」
どうなるか分からない焦りを他所に、浮かれた大将は三コール目に通話中になった相手に、陽気に話しかけ出した。
「はい、」
「あ、律?」
「そうだけど。俺じゃなかったら怖いけどな」
電話越しでも長谷 律の声が聞けて、心臓の音がだんだんと大きくなる。
「最近どうよ。忙しい?」
「まぁ舞台は終わったけど、すぐドラマも決まったから。休みなく稽古三昧。倒れそう」
「またご飯食べに来てや」
「うん、そうしたいけど…」
「今なら茜音ちゃんに会えるで」
大将の質問にも力無く答えていて、疲弊していても芸能の仕事を卒なくこなしていくプロ根性の凄さに心配しながらも感心していると、話題は私にシフトされた。
スピーカーだから表情は分からないけど、声色で感情は読み取れる。



