〝頑張れ〟
食べたご飯が出そうなほど背中を一発強く叩かれて、背筋が伸びた。
長谷 律を意識してしまっていることは分かった。会いたいと思ってここまで来たことも自覚している。
その先を考えすぎてしまって、足踏みしていることも分かった。
まさか長谷 律の気持ちまで聞けるとは思わなかったけど、未来に不安を持つんじゃなくて、何とかなる精神で突っ込むのも正解だと、心が少し軽くなった。
「よし。律、呼ぼか」
「へ!?今からですか?」
「今じゃなかったら、茜音ちゃん逃げるやろ。思い立ったら吉日ってやつ」
一人焦っている間に、携帯の画面には〝律〟と着信中の文字が表示されてしまい、しかもスピーカーになっているのが見えた。



