距離感…。長谷 律は私とお近づきになりたいということなのか。
いやいや、思い上がったらダメだ。
きっと芸能人という立場上、どういう距離を保てば良いか分からないということだ。
「そうですか…。じゃあ今は良い距離感かもしれないです」
連絡も取れない、気まぐれにまたどこかで会えたら奇跡な、芸能人と一般人。
「舞台の後、全く会ってないんです。長谷さん、元気にしてるかなって。ここに来たら会えるかなって思ったんですけど、このままの方が良いですね」
「…茜音ちゃん、多分それ逆や。ほんまに世話の焼ける奴らやな…」
〝逆や〟と言われた後、厨房がある奥へ消えてしまった大将。
何かごにょごにょ言っていたけど、聞き取れなかった。仕込みでもしに行ったのかな。



