〝勝手に飲み物変えちゃって、ごめんね。〟
顔の前で両手を合わせて謝られたけど、長谷 律のイチオシなら飲んでみようと思える。
実際に高揚してたし。
熱がりながらモカを味わう私を、ニコニコしながら何か言いたそうに、こちらを見ている長谷 律。
舞台終わりの彼と会うまで、私なんかが関係者で良いんだろうかとマイナスなことばかり考えていたのに、今の時間が心地良くて、自己肯定感がどんどん上がっていく。
マイナスなことを考えていたのも、忘れるくらい。
「長谷さん!ご挨拶、ひっきりなしに来られてます…。そろそろ戻れますか?」



