「俺の演技はどうだった?多分初めてだと思うけど」
「舞台自体が初めてで、何だか圧倒されてしまいました。歌もマイクがないのに、胸にすごく響く音量でしたし、全部が新鮮でずっと驚かされてばかりでした」
「…めっちゃ喋るね(笑)」
「ごめんなさい!つい…」
遠い存在の人だと実感したのに、今はこうして一番近くで話せているのが嬉しくて、シュミレーションが崩れてしまった。
引かれてしまっただろうか。
「茜音ちゃんが来てくれたから、尚更頑張れたな」
そんな心配はしなくても良かったようで、ヘラッと笑いながら、また勘違いをするような言葉を口にする。



