今呼ばれて長谷 律が私のところに来たら、一般人の私は他に居た有名な芸能人に冷ややかな目を向けられる。 ここに連れて来てもらうほど、私には勇気がない。 ラウンジに一人移動して、案内してくれたスタッフさんは元の舞台の客席の方へ戻って行った。 長谷 律に呼ばれるなんて、夢のよう。 一旦深呼吸して、迎える準備をする。 何て声をかけようか。お疲れ様と私が言っても良いのか。 公演の感想を熱弁しても良いのか。 待ち方が分からず、一人しか居ないラウンジをぐるぐる歩き回る。