そこから終わりのBGMが流れ始め、二人を挟むように演者が次々と出てきてお辞儀をしている。
更に大きくなる拍手が耳に突き刺さり、くぐもったように聞こえた。
今の感情を、説明できない。
尊敬、応援、嫉妬、怒り、憧れ。
どれも似通った表現で、どれかに当てはまるはずなのに、心にストンと落ちるものがない。
公演は素晴らしかった。
二人の気持ちが交差するまでの、主人公が選択を迫られるジレンマは、強く共感できる内容だった。
それでも、どちらかを選べる強さは主人公らしい描かれ方で、惹かれるものがある。
それなのに、このモヤっと残る胸のつかえは?



