私の歩くスピードに合わせて、ゆっくり歩いてくれる長谷 律。
そこは気配消せるんだ。
そのまま何も話さず、大通りに出て駅に向かって二人歩く。
そういえば、帰り際に大将に言われたこと、聞いてみようかな。
交わされたら、それで終わりってこと。自分の思い上がりで、夢だったって思えば良い。
話しかけようと長谷 律を見ると、長谷 律も同じように私を見ていて、ドキッと胸が飛び跳ねた。
長谷 律が私を見てる!?顔にご飯粒でも付いていただろうか…。
口元を手で払うけど、何も付いていないらしい。じゃあ何でこっちを見ていたんだろう。
考えているうちに視線は外されて、顔を赤くする暇もなく話しかけられる。



