心が解けていく






「今ね、茜音ちゃんに律のことお願いしてたんよ」


「余計なこと言うなよ。ただお礼しただけじゃん」


「〝だけ〟ね…。それだけで、律の秘密の花園に人を招き入れる?」




あ、さらに不機嫌になった。

椅子をズズっと後ろに引いて、右足を上に足を組むと腕も組み出し、右足を貧乏ゆすりのように揺らし始めた。



目は大将を一点に見つめ、獲物でも狩れそうなぐらいの鋭さを感じる。





「あーはいはい。ただのお礼やな。分かった。律もデザート食べるか?」


「問答無用」


「はいはい。まぁ面倒くさい子や」