「律くん、今日の仕事は?」
「昼からあるよ。もう出る?」
「そろそろ行こうかな」
ご飯を食べながら化粧して、律くんが呑気にコーヒーを飲んでいる向かい側で、慌ただしくしている私。
律くんの家で一緒に住むようになって、一ヶ月が経った。
言われた通り、同棲報道がされることは一切なく、今のところ疑われてもいないらしい。
オーラが強すぎる芸能人としては、考えられない話だけど、プライベートな律くんにオーラはない。
歯を磨いて髪の毛の寝癖も直して、ようやく玄関に行けた。
律くんは昼から仕事だから、先に私が家を出る。
会社までの距離は少し縮み、出勤するまでの時間にも余裕ができた。
そのはずなのに、乗りたい電車に乗り遅れそう。



