「律は頑張り屋さんやから。気張ってるんやと思うし、茜音ちゃんが構ってあげるだけでも、喜ぶと思うわ」
「話聞くぐらいならしますけど…」
「それでも救われるよ。芸能の世界なんて、俺らでは考えられんしんどさがあるし、そこに踏み込む立場でもないからな」
「…そう、ですね」
大将まで、私に何を求めているのか、分からなくなってきた。
ただのお礼をしてもらっているとばかり思っていたけど。
「ごめん。長引いた」
「いえいえ。お仕事ですか?」
「うん、マネージャーから。明日の予定変えたいって。…何だよ」
私と長谷 律の会話を聞いていた大将が、私たちを見てニヤけていたので、不機嫌になる長谷 律。



