インターホンが鳴った。
友基が戻ってきたのかと怯えたけど、玄関の覗き穴には律くんの姿が見えて、扉を開けると律くんに飛びついた。
「おぉ…。遅かった?」
「遅かったです」
「ごめんね、お待たせ。頑張ったね」
頭に律くんの手が乗って、目を閉じた。
絶対的安心感のある、律くんの存在。
お互いに無闇な否定をしなくて、理解しようと努力できる。
この関係性を求めていた。
「話、聞かせてくれる?」
「…はい」
解決はせずに、友基が横暴な態度をとって終わったと話すと、驚かずに妙に納得する律くん。
律くんは、友基の本性をすでに見抜いていたのかもしれない。
終始怖かったけど、私がどう感じて過ごしていたのか友基に直接伝えられたから、この時間を作って良かった。



