心が解けていく






シフォンケーキを大口で頬張りながら、大将の質問に耳を傾ける。


振り回されたなんて。多少無理があるお誘いだったけど、おかげで美味しいご飯も食べれたし。





「律はな。憩いの場みたいなとこに、他人を入れたがらんよの。自分のテリトリーを大事にしてる子やから、茜音ちゃんを連れて来た時は正直驚いたわ」


「そんな大事な場所に、私が入って良かったんですかね…」


「律が連れて来たんやもん、良いに決まってるよ。それに、茜音ちゃんに心許してるんやって分かるし、俺も安心したわ」





出会って一日も経っていないのに、心を許してくれるものなんだろうか。

それに、私は一般人。



芸能人である立場として、何故私を警戒しないのかも気になる。